「太陽光発電ができるマンション」ってご存知ですか?
朝、太陽が昇ると同時に発電が始まる、普段通りの生活なのに光熱費が減っている。そんな暮らしがマンションでも可能なんです。
ひょっとしてこれは「カシコクくらす」ための必須アイテム!?
そこで、マンション向け戸別太陽光発電システムを開発したJX日鉱日石エネルギー株式会社の志村さんにお話を伺ってみました。
そうですね。確かに石油関連の事業が中心になってはいますが、実は総合エネルギー企業として20年程前から太陽光発電システムの研究に取り組んできました。
電気がなければ私たちの暮らしは成り立ちませんが、クリーンな太陽光発電は二酸化炭素を出さずに電気を作る環境にも大変やさしいエネルギーであると考えたんです。
広い敷地にモジュール(太陽電池パネル)を敷き詰めた「メガソーラー(太陽光発電所)」の建設計画がニュースなどでもよく取り上げられています。
省エネや節電とのセットで「再生可能エネルギー」という言葉も、新聞・テレビでおなじみになりました。
エネルギーはリスク分散の意味でも多様化していく事は確実ですが、なかでも太陽光発電は発電コストが大幅に下がったため、急速に普及しています。世界的に見ても2010年の発電量は2000年に比べて約40倍。 また地球に到達するエネルギー量も膨大で、中国東部からモンゴルにかけてゴビ砂漠が広がっていますが、もしそこにモジュールを敷き詰めたら、太陽光発電だけで全世界の電力需要がまかなえるそうです。
太陽の寿命は100億年、今50億歳くらいらしいので、あと50億年は大丈夫です(笑)
CO2を排出しない、言ってみれば植物の光合成のようなやさしいエネルギーなので環境に負担をかけません。でも、やっぱり嬉しいのはおトクだってことでしょうね。
発電した電力は電力会社の電力と一緒になり、照明やエアコンなど通常の家電機器に使われます。
当然 支払う電気代は安くなります。
使われなかった電気は、電力会社に買い取ってもらえるという制度ができました。
固定価格買い取り制度といって、各家庭で創られた電気は42円/kWh(※)で10年間売ることができます。
再生利用可能エネルギーを普及促進するための施策なんです。太陽光発電システムを導入すればその恩恵を受けることが出来ます。
売電する場合、電気代を受け取る専用口座をつくることが出来るんですが、それを「発電貯金」と呼んで家族みんなのお小遣いにされているご家族もおられましたよ。
もちろん奥さまが独り占め(へそくり?)にするケースもあるでしょうけど(笑)
省エネ、節電意識も高くなります。
私たちの開発したシステムでは「エネルギーの見える化」を実現するため、住戸内ユニットとして太陽光発電モニターを採用しました。今、どれくらい発電しているか、どれくらい電気が使われているかがモニターに表示されるんです。そういうことが分かると自然に省エネ意識が芽生えます。
小さなお子さんも目で見て理解できますから、お子さんの「エコ教育」になった、という評価もよく頂いております。
日曜日の昼間、使っていない部屋のエアコンを消しなさい!とか、コマメに照明を消して!などと、お子さんから指導されると言って苦笑されていたお父様がおられました(笑)
これまでマンションの太陽光発電は、共用部分の照明(廊下やエントランス等)で使用されるケースがほとんどでした。
特に各住戸に電気を送るシステムに制約があり、普及してこなかったんですね。
しかし、先ほどお話したようにメリットは大きい訳です。
なんとかマンションでもご家庭ごとに発電システムを使えないか、と開発に取り組んでようやく実現しました。
はい、屋上が適してます。ですが、全戸に供給するとなるといくつか条件が出てきます。
まずタワー型マンションのように、屋上面積に比べて住戸数が多いマンションは住戸に対しての太陽電池を設置するスペースがとれません。あと、すでに完成しているマンションに後付けするような場合も、もともと影を考慮してつくられていたわけではありませんから制約が多いですね。
そうです。いま、マンションの設備はどんなマンションでも差がなくなっています。
付けようと思えば、ほとんどの設備が後付けできる。でも、戸別の太陽光発電システムはそうはいきません。私たちがこれまでお手伝いさせていただいたマンションが高い評価を受けてこられた理由のひとつは“希少価値”です。